腰痛について

「腰が痛い…」という経験はだれにでもあるでしょう。
慢性の腰痛に悩まされている人の方が多いのでは?
現代の生活パターンは腰に負担がかかりやすくなっています。
少しでも腰をいたわるよう、心掛けるようにしましょう。


われわれ人類の祖先は、四本足で歩く動物から進化しました。しかし、われわれの骨の構造は、まだ発展途上にあり、二本足で体を支えるには、腰に負担がかかりやすいという弱点があると言われています。さらに現代の生活では、長時間のデスクワークや車の運転など、ますます腰を圧迫する姿勢をとることが多いため、腰痛は現代人の悩みの一つとなっています。こうした腰への過剰な負荷以外にも腰痛の原因はたくさんあります。詳しく見ていく前に、まず腰の構造について知っておきましょう。

人間の脊椎(背骨)は、二十六個の骨(椎骨)が連なってできており、首の部分の七個の骨が「頸椎」、背中の部分の十二個の骨が「胸椎」、腰の部分の五個の骨が「腰椎」と呼ばれます。腰椎の前部を占める短い円柱を「椎体」と言い、椎体と椎体の間には、外部の衝撃を吸収するための「椎間板」があります(下図参照)。椎体の後方には、脊髄の続きの神経が通っています。

こうした複雑な構造を持つ腰に何かしら異常が起きている状態が腰痛というわけです。腰痛に悩む二十代-五十代で多いのが、「いわゆる腰痛症」と「椎間板ヘルニア」。以下に、これらを含めたさまざまな腰痛の原因と病院での治療について、解説していきます。

医師の診断が必要な時

ただ腰が痛いと言っても、その種類はさまざま。詳しく一人ひとりの患者の症状を診察すれば、まさに千差万別です。

腰痛の多くは、横に寝て安静を保てば楽になり、そのまま治ってしまうことも多いと言えます。痛みで動きがとれない場合も、整形外科でとりあえずの対処療法(薬物療法、ブロック療法など)をしてもらえば、大分良くなるはずです。しかし、腰痛の中でも重症だったり、腰痛以外の病気が潜んでいる可能性や、緊急を要するものもあります。下記を参考に(1)〜(4)のいずれかに当てはまる場合は、できるだけ早く医師の診断を受けるようにしましよう。

腰痛の治療には、整体、カイロプラクティック、あんま、マッサージ、指圧、接骨院、鍼灸院などでの民間方法もあります。しかし、これらは医業ではなく、場合によっては害になることもあり、あまりお薦めできません。まずはできるだけ整形外科のある病院を訪ね、適切な診断を仰ぐようにしましよう。

整形外科では、診察し、必要に応じて画像診断(レントゲン・CT・MRIなどを用いる)、血液検査、尿検査などを行い、一人ひとりの腰痛を診断します。

病院に行くか行かないかの判断の仕方

(1) 安静にしていても楽にならない
(2) 痛みが一度和らいでも、再び繰り返す
(3) 脚のしびれ・痛みがある、脚に力が入りにくい
(4) 腰痛関連以外の症状(血尿、婦人科系のトラブルなど)がある

(1)(4)は腰痛以外の病気、(2)(3)は重い腰痛の症状が考えられます。
 一つでも当てはまればできるだけ早く医師の診断を受けましょう

腰痛の治療法は?

整形外科での治療法には大きく分けて二つあります(下記参照)。すぐに手術を行うということはほとんどなく、まずは保存療法から入り、それでも効果が無い場合は、手術療法が有用となります。

腰痛の治療法

1.保存療法
・薬物療法…薬物により、痛みを和らげる。消炎鎮痛剤、
        筋弛緩剤などが使われる。
・ブロック療法…注射剤で痛みの神経をせき止める(ブロックする)。
・理学療法…自動的・他動的に体を動かしたり、物理的な方法で
        痛みを軽減したり、機能回復を図る。温熱、けん引など。
・装具療法…コルセットで腰部の安定を図る。
・体操療法…姿勢の改善、腹筋・背筋力の強化などを指導。

2.手術療法
腰椎分離すべり症、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などで必要な場合は手術を行う。

腰を日ごろから大切に

腰痛にならないためには、腰に負担をかけない生活を送ることが一番です。自分で気を付けられることは、まず太らないこと、次に姿勢の改善、そして筋力の強化。腹筋と背筋は背骨を支える大切なもので、いわば天然のコルセットとも言えます。ぜひこうした筋肉を鍛えておくようにしましょう。デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいるときは、合間にストレッチをするなど、腰をいたわるよう心掛けましょう。また、特に女性は更年期以後、骨粗鬆症になりやすいため、若いときから意識してカルシウムを多く取るようにし、丈夫な骨をつくっておくことも大切です。

腰痛の原因を知るとともに、自分でも予防を心掛けましょう

腹筋・背筋は天然のコルセット

腰痛予防・再発防止のために、筋肉を鍛えましょう。
注)腰痛があるときにはしないこと。

足は曲げ、腕を組んで頭を持ち上げ、肩を床から離して5つ数える
腹部に薄いクッションなどを当て、腰と足首を押さえてもらい、上体を上げる

日ごろの悩みのタネ
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