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| ■■■ ヒト・パピローマウィルス ワクチンについて ■■■ |
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子宮頚がんは子宮の入り口付近の頚部にできるがんで、わが国では毎年約7000人が子宮頚がんと診断され、うち毎年約2500人が亡くなっています。子宮頚がんの原因は、性行為によるヒトパピローマウィルス(HPV)の感染と考えられています。HPVは100種類以上の型があり、臨床的にはがん組織に高率に存在する高リスクタイプと、がんとはほとんど無縁の低リスクタイプに区別できます。HPVはほとんどが性交渉により感染しますが、決して特別なことではなく、性交経験のある女性の約80%は高リスクタイプのHPVに一度は感染するといわれ、ごくありふれた現象といえます。しかもHPV感染のほとんどは一過性であり、ウィルスは自然に排除されます。しかし長期間にわたりHPV感染が持続することがあり、その一部が前がん病変へと変化します。そして、HPVの持続的感染者の約1000人に1人の割合で浸潤がんが発生します。ただし、がん化までには数年から十数年かかるといわれており、この長期間に及ぶ前がん病変の段階で早期発見できれば生命の危険の回避はもちろん、子宮温存という形での治療が可能です。そのためにも定期的な子宮頚がん検診は大きな意味があります。 このようにHPV感染は子宮頚がん発生の必要条件であることから、感染を予防することで子宮頚がんの発生を防ぐことができます。そのために感染予防ワクチンであるHPVワクチンが開発され2007年に世界で初めて承認され、現在は欧米中心に約100カ国で使われており、わが国でも2009年8月31日厚生労働省が承認へ向けた手続きに入りました。このワクチンはHPV高リスクタイプの16型と18型に対するもので、16,18型に関連した前がん病変であれば、ほぼ100%防げることが臨床試験で示されています。ただ、前がん病変の発生を抑えるということはデータとして出ていますが、実際にがんになる人がゼロになるのかどうかについては、もう少し様子を見なければわかりません。また、HPVにすでに感染している人のウィルスを消失させることはできません。さらに、子宮頚がんおよび前がん病変には治療効果は期待できません。 アメリカでは、接種対象となる人は9から26歳の女性で、特に性行為開始前の11から12歳が最も推奨される年齢といわれています。わが国でのHPV感染の60%がHPV高リスクタイプの16型と18型であり、残りの40%は他のタイプのHPV感染によるものですから、現在のワクチンを接種しても日本人の子宮頚がんすべてをカバーできるわけではありません。その意味でも、ワクチン導入後もがん検診を継続すべきでしょう。 赤坂見附宮崎産婦人科 |